不動産に限らず、金融投資商品など投資対象資産に一般的に認められるリスク。
投資対象資産が、その取引市場において成立する価格に左右されるリスクである市況リスクと、
市場において直ぐに換金出来ないリスクである流動性リスクの二つを、
マーケット・リスク(市場性・リスク)という。
経済情勢や需給バランスの変化が、市場を通じて対象不動産の価格、賃料、空室率に影響を与える。
自由競争の市場経済を前提とする以上、このリスクをゼロにすることは出来ない。
投資資産は必要な時(投資採算性から見て出口に来たと判断した時)すぐに換金できることが需要である。
直ぐに換金出来なければ、撤退のタイミングを失う。公開取引市場の不存在、投資家数の限定、時価評価の困難性などが
不動産の流動性を制約しているため、不動産の流動性リスクは、高い。
これを補完する商品が、上場不動産投信(J−REIT)であり、毎日市場で値が付き取引が可能となるから、
流動性リスクは低くなる。
事業特性リスクは、事業別リスクとマネジメント・リスクに分類される。
住宅、オフィス、店舗、その他ホテルやスポーツ施設等の特殊なものなど、不動産賃貸の用途により、
不動産収益の変動リスクは、各々相違する。通常、住宅が最も事業別リスクが小さいとされる。
不動産賃貸事業においても、個別物件ごとのマネジメントの内容にとり、収益は異なる。
事業の運営管理のあり方により、リスクは大きくも小さくもなる。また、地震・火災などについては保険によりリスクを
ヘッジすることができるが、そのような措置を講じているかどうかもマネジメント・リスクの一部である。
不動産には、他の投資資産には見られない不動産独自の投資リスクがあり、これを不動産リスクという。
不動産リスクは大別して、税法を含めた法制度全般に係る法的リスクと、不動産の個別具体的な物理的要因に
起因する物理的リスクがある。
法的リスクとして、借地借家リスクと法規制リスクが挙げられます。
借地・借家関係では、借地人、借家人の保護が補正度に組み込まれているため、賃貸事業を行う側はこれに
配慮しなければならない。また、賃料増減額請求権の行使などにより、賃料は不安定性のリスクを抱えざるを得ない。
なお、新規事業においては、定期借家制度など、従来よりは賃料の安定性が確保できる新しい法制による
事業実績も増えつつある。
都市計画法、建築基準法など公法上の規制により土地利用が制限されるリスクである。
将来の法改正のほか、いわゆる既存不適格建物のように建築時には適法であったが
法改正に伴い不適格となったものなどもある。
事業開発型の不動産投資を行う場合には、開発の許認可に伴うリスクがある。
許認可をめぐる地元調整あるいは近隣折衝の長期化、各種の公的な負担条件による事業収益の圧縮などである。
不動産取得税や登録免許税等の権利移転に伴う税負担、固定資産税、都市計画税等の不動産保有措置及び
社会情勢の変化や政策上の観点から、各種の租税特別措置について見直し・変更が実施され、
対象不動産の収益性に影響をおよぼすリスクがある。
物理的リスクには、立地地域リスク、地盤・地質リスク、建物リスクが挙げられる。
例えば、立地地域に所在する工場の排煙からダイオキシンが検出されたケースなど、不動産はその立地する地域特性の
変動により影響を受ける。これが立地地域リスクであり、地震、地すべり、火山噴火なども立地地域リスクである。
近年、特に注目されるようになってきたリスクである。地質とりわけ土壌汚染については、
通常、環境調査レポートによる 調査結果が開示されるので、その結果によってリスクの多寡を判定することになる。
震災・火災等の災害による建物破損のリスク、経年変化による修繕・改修コストの負担増リスク、アスベスト、PCB、
その他人体に悪影響を及ぼす物質が使用されているリスクなどがある。これらについては、建物診断調査や
環境調査によって情報開示されるのが通例であるため、これを踏まえて判断することとなる。
(以上、出所:財団法人不動産近代化センターより抜粋)
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